TCFD提言への対応
基本的な考え方
当社グループは、気候変動を含む環境問題への対応を重要な経営課題として認識しています。こうした認識のもと2021年5月に公表した「2030 ビジョン」において、「ESG 経営の実践」を挑戦の一つとして掲げ、中期経営計画(2021-2025)においても環境・社会・ガバナンスのそれぞれについて KPI を設定し、具体的な目標も定めて計画的・継続的に取り組みを進めています。
温室効果ガス排出量の削減をはじめとする環境に優しい経営の実践と共に、再生可能エネルギー事業などを通じて気候変動に関連する社会課題の解決に貢献できるよう、積極的に取り組んでいきます。
また、2021年12月には、 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに加盟しました。当社グループは、TCFDフレームワークに沿った情報開示を進めています。
(2024年6月更新)(1,652KB)
※過去のファイルはページの下部にあります。
TCFDは、2017年6月に最終報告書を公表し、企業等に対し、気候変動関連のガバナンス、 戦略(リスクと機会、財務等への影響、対応)など、以下の項目について開示することを推奨しています。
ガバナンス | 戦略 | リスク管理 | 指標と目標 |
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気候関連のリスクと機会にかかる監視体制および経営陣の役割 | 気候関連のリスクと機会の特定およびそれが組織の事業・戦略・財務計画へ及ぼす影響 | 気候関連のリスクについて、組織がどのように識別・評価・管理しているか | 気候関連のリスクと機会について、評価・管理するために用いる指標と目標 |
ガバナンス
- 当社グループは、持続可能な社会の実現および当社グループの持続的成長の実現に向けた取り組みを強化するため、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置するとともに、気候変動対策を主としたサステナビリティに関する専任組織としての「サステナビリティ推進室」を総務部に設置しています。
- サステナビリティ委員会は、経営会議の諮問機関として設置し、サステナビリティに関する⽅向性、重要課題、⽬標設定等について審議及び取り組み状況のモニタリングを行い、その内容を経営会議及び取締役会に審議・報告しています。
- 総務部サステナビリティ推進室は、サステナビリティ委員会の事務局として運営を行うとともに、気候変動対策を主とした各種サステナビリティ施策について、グループ各社と連携し当社グループ全体の目標設定と進捗管理をする役割を担っています。
会議体 | 年度 | 内容 |
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取締役会(経営会議) | 2022年度 |
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2023年度 |
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サステナビリティ委員会 | 2022年度 |
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2023年度 |
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戦略
気候変動が当社グループの事業に与える影響を、2030年時点の世界を想定したシナリオ分析により把握しました。分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)による1.5℃シナリオと、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による4℃シナリオを主な情報源としました。
シナリオ分析のステップ
シナリオ分析の結果
1.5℃シナリオ( 産業革命以前に比べて気温上昇を1.5℃に抑えるために必要な対策が講じられた場合のシナリオ)
種別 | 気候変動要因 | 当社グループへの影響 | 影響時期※1 | 影響度※2 | 主な対応策 | |
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2030年 | 2050年 | |||||
リスク | 炭素税の導入 |
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中・長 | ▼▼10 | - |
|
排出規制 |
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中・長 | - | ▼2 |
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再生可能エネルギーへの移行(再エネ政策) |
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短・中・長 | ▼0.3 | ▼0.4 |
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原材料価格の高騰 |
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短・中・長 | - | - | ||
情報開示義務 |
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短・中・長 | ▼1 | ▼1 |
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省エネ・再エネ技術の進展 |
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短・中・長 | ▼▼ | ▼▼ |
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お客さまの選好変化 |
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短・中・長 | - | - |
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ステークホルダーの評価 |
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短・中・長 | - | - | ||
機会 | 再エネ関連工事 |
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短・中・長 | ▲▲ | ▲▲ |
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市場拡大 |
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短・中・長 | ▲ | ▲ |
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気候変動緩和・適応に向けたサービス |
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短・中・長 | ||||
気候変動適用 |
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短・中・長 |
|
|||
ステークホルダーの評価 |
|
短・中・長 | - | - |
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4℃シナリオ( 気候変動対策が不十分であり、産業革命以前に比べて気温が約4℃上昇するシナリオ)
種別 | 気候変動要因 | 当社グループへの影響 | 影響時期※1 | 影響度※2 | 主な対応策 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2030年 | 2050年 | |||||
リスク | (急性)気象の激甚化 |
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中・長 | ▼7 | ▼▼19 |
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(慢性)気温上昇 |
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中・長 | ▼8 | ▼▼11 |
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※1 短期は3 年以内、中期は3 年超~10 年以内、長期は10 年超
※2 2030年度時点での事業活動に与える財務的影響度(利益)について、一定条件下で試算。相対的な大きさを想定して、リスクは「▼▼▼(大)」「▼▼(中)」「▼(小) 」 、機会は「▲▲▲(大)」「▲▲(中)」「▲(小)」で表示。影響金額のスケールは、(大):100 億円以上、(中):10~100 億円未満、(小):10 億円未満
リスク管理
当社グループのリスク管理体制については、リスク管理に関わる基本事項を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスクカテゴリーとそれに対応するリスク管理部門を設定するとともに、全社的リスクマネージャーとして事業リスク管理委員会を設置し、当社グループ全体レベルでのリスクの識別及び評価を行う体制を構築・運用しております。
気候変動に関するリスクについては、主にサステナビリティ委員会において識別・評価しています。また、事業リスク管理委員会での個別案件の審議において気候関連リスクの確認を行うなどの情報共有・連携を図ります。
リスク管理規程のもと、全社のリスク管理プロセスに統合するとともに、国際規格ISO14001に基づいた環境マネジメントシステム及び国際規格ISO45001に基づいた労働安全衛生マネジメントシステムにおいて評価・特定されているリスクとも整合させています。
指標と目標
当社グループでは気候関連のリスクと機会を管理するにあたり、以下の指標・目標を設定し、モニタリングしています。
目標(単位:千t-CO2)
基準年(2020 年度) | 目標年 | 集計範囲 | ||
---|---|---|---|---|
2030年度(基準年比) | 2050年度 | |||
Scope1・2 | 86.3 | 48.4(△43.9%) | カーボンニュートラル | 連結 |
Scope3 | 1,757.0 | 1,317.8(△25%) | - | 連結 |
サブ指標
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2025年度 | 集計範囲 | |
---|---|---|---|---|---|
再生可能エネルギー由来の電力への切り替え | 33.6% | 73.2% | 77.8% | 100% | エクシオグループ(株)の自社管理拠点 |
EVなど低公害車導入 | 95.5% | 96.1% | 96.7% | 100% | エクシオグループ(株)の一般車両 |
温室効果ガス(Scope1・2)削減のイメージ(単位:千t-CO2)
Scope別の温室効果ガス排出量(単位:千t-CO2、集計範囲:連結)
基準年(2020 年度) | 2023 年度 | 増減値 | 増減率 | |
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Scope1・2(自社) | 86.3 | 71.7 | ▲14.5 | ▲16.9% |
Scope1(直接排出) | 60.4 | 60.6 | 0.2 | 0.3% |
Scope2(間接排出) | 25.9 | 11.1 | ▲14.7 | ▲57.0% |
Scope3(サプライチェーン) | 1,757.0 | 1,264.4 | ▲492.7 | ▲28.0% |
カテゴリー1(購入した製品) | 275.9 | 173.7 | ▲102.2 | ▲37.0% |
カテゴリー2(資本財) | 41.5 | 70.2 | 28.7 | 69.2% |
カテゴリー3(エネルギー活動) | 12.7 | 13.0 | 0.4 | 2.9% |
カテゴリー5(廃棄物) | 2.4 | 4.6 | 2.2 | 89.0% |
カテゴリー6(出張) | 1.9 | 2.2 | 0.3 | 18.6% |
カテゴリー7(通勤) | 3.4 | 4.0 | 0.6 | 18.7% |
カテゴリー11(販売製品の使用) | 1,418.4 | 995.8 | ▲422.5 | ▲29.8% |
カテゴリー13(リース資産(賃貸)) | 0.9 | 0.8 | ▲0.1 | ▲14.2% |
※当社グループが排出している温室効果ガスはCO2(二酸化炭素)です。
※今後の算定高度化に伴い対象範囲や計算方法に変更がある場合や成行きの事業成長を超える事象が発生した場合は、基準年の数値を見直す場合があります。