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国内初、三菱重工とエクシオグループが二相式DLC方式のGPUサーバー構築・商用利用開始

2025年12月22日

三菱重工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊藤 栄作、以下、三菱重工)とエクシオグループ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梶村 啓吾、以下、エクシオグループ)は、二相式ダイレクトチップ冷却(二相式DLC)※1によって効率的に冷却した画像処理半導体(GPU)サーバーの構築・商用利用を、このほど国内で初めて開始しました。場所はエクシオグループの自社データセンターです。データセンターのGPUは、生成AIの普及で多用され、高熱化が課題となっています。革新的な二相式DLCの導入は、この課題を安全に解決します。

従来は、GPUをヒートシンク※2で冷却する「空冷方式」が主流でした。しかし最新のGPUは1,000~1,400W級の熱を出すため、安定した冷却が難しくなるなど、以下の課題があります。

第一の課題として、空冷方式ではGPUを十分に冷やしきれず、安定稼働に不安があり、出力制限や故障リスクの要因となっていました。二相式DLCの採用により、GPUチップのすぐ上に、液体と気体の冷媒を循環させるコールドプレートを設置して熱を直接奪うため、従来の空冷方式と比べ、桁違いに高い熱伝達率を実現します。これによって、高熱を発するGPUの安定稼働だけでなく、システム全体の故障リスク低減も可能にしています。

第二の課題として、単相による水冷方式では、万が一の漏水時にサーバーを損傷させるリスクがありました。二相式DLCならば、電気を通さない絶縁性冷媒が安全性を確保し、漏水しても電気回路の短絡(ショート)を防ぐので、サーバーなど高価なIT機器を損傷させません。そのため安心して使用できます。

第三の課題として、大風量のファンや補助冷却機器の消費電力が増え、CO2排出量が増大する傾向にありました。二相式DLCでは、高効率な熱除去により、サーバー内の大型ファンの出力を削減します。そのため、冷却における電力係数PUE※3が下がり、エネルギー消費と環境負荷が低減され、運用コストとカーボンフットプリント※4を抑制します。

今回、エクシオグループは、生成AIなどに活用する高性能GPUサーバーを高い冷却効率で安定的に稼働させるため、三菱重工が提供する二相式DLCを採用し、国内初の実運用・商用利用開始に至りました。三菱重工の冷熱技術と、エクシオグループのデータセンターの構築・運用ノウハウを組み合わせ、ワンストップでのGPUサーバーの構築を実現しています。

両社は引き続き、構築・運用技術を蓄積し、今後も拡大が続く大規模データセンターの需要に対し、両社が持つ技術力をベースとした、高信頼かつ環境負荷を抑えたデータセンター設備のワンストップソリューションを提供し、IT分野におけるグリーントランスフォーメーション(GX)を推進していきます。

※1 二相式DLC(Direct Liquid Cooling)は、液体と気体の両方の冷媒を使い、GPUチップに冷却液を直接流して熱を取り除くこと。
※2 ヒートシンクは、電子機器や機械の発熱部品から発生する熱を効率的に放散し、部品の温度上昇を抑える装置。
※3 PUE(Power Usage Effectiveness)は、データセンターがどれだけ効率的に電力を利用しているかを示す指標。1.0に近いほど効率が良いとされます。
※4 カーボンフットプリントは、個人や企業、製品、サービスなどが直接的・間接的に排出する温室効果ガスの総量を数値化したもの。

【本件に関するお問い合わせ先】
エクシオグループ株式会社 コーポレート・コミュニケーション室  広報担当
TEL:03-5778-1075 E-mail:contact@en2.exeo.co.jp

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